これまで紹介してきましたように、漢方煎じ薬を作るには一定の手間を必要とします。たいていは、1日分の煎じ(せんじ)薬をお鍋に入れて、弱火で30-40分かけ煮出すことになります。
これは、本格漢方では大切な工程なのですが、ときに現代の忙しい生活事情にあわないこともあります。
しかし「それじゃ、漢方エキス剤に戻しましょう‥」では、せっかくの本格漢方の良さが損なわれてしまいます。難しい病気に対応するには、やっぱりエキス剤では濃度が薄く、思ったような効果が得られないことがあるのです。
そういった患者さんに当院では「漢方レトルトパック」を紹介しています。
これは、2週分(4週分)のお薬をまとめて薬局で煎じ、仕上がった薬液を真空パッケージ化(包装詰め)するサービスです。上の写真は、1回分として包装詰めされたお薬です。
お薬は、飲む前に1分程 湯煎(ゆせん)して温めるか、中身を湯呑みにうつしてから電子レンジでチンするか、どちらでもOKです。まるでレトルトカレーを扱うような簡便さです。
自宅で煎じ薬を作っていると、扱い方やその日の天候によって、薬の濃度にばらつきが生じてしまうことがあります。でもレトルトパックは、専用の抽出器でまとめて煮出され詰められていますので、薬の濃度は一定です。包装もしっかりしているため、2か月程度の保存性や、持ち運びにも優れています。
中味は、もちろん本物の煎じ薬ですので、まさに "最先端の漢方医療" といえます。
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ただし、できあがるまでの時間(日数)は、他の患者さんの調剤の都合にも左右されますので、お待たせしてしまうことがあります。また、若干の手数料も必要となります。
お持ち帰りに、薬液(水分)の重さが負担になる場合は、郵送手配の相談も受けております。
くわしくは、当院か、階下の薬局にお尋ねください。