忙しい毎日を送り、ストレスの多い生活を送っていると、自分でも気が付かないうちに疲れがたまり、不調を感じるようになります。
では、病気にならないためには、あるいは病気を早く治すためには、どうしたら良いのでしょうか。
内科医からすると、それは「生活を正すこと」だといえます。それがいわゆる未病を治す、養生です。
その基本は3つ(1)きちんと食べること、(2)きちんと眠ること、(3)きちんと運動すること、につきます。つまらない話かもしれませんが、セルフメディケーションの肝といえます。
1. きちんと食べること
これは、コンビニやファーストフードなどの高脂肪食や、体を冷やしやすい飲食物、などを過剰に取らないことです。つまり日ごろから、『食べるものの質と量を意識すること』です。
現代日本の食事は、どうしても炭水化物と脂肪分に偏りやすい傾向にあります。なるべく、野菜・繊維質、そして(腎臓の問題のない方は)たんぱく質を摂って、体つくりに努めましょう。
口にするのは、いつも腹八分の量、も大切です。
体力の下り坂世代の方にとっては、きわめて重要な課題といえます。
2. きちんと眠ること
現代人は、夜型の生活になりがちです。意外と多くの方が、テレビ、ゲーム、インターネットに夢中になり、遅くまで起きています。
もちろん帰宅時間の遅い方や夜勤をされている方もいます。そのような皆さまの場合は、仕方がありません。
それ以外の方々は、『眠る時間をきちんと確保する』ように努めましょう。こころが安定します。
3. きちんと運動すること
実に多くの方が運動不足です。自分のポコッと突き出たお腹、他人のポニョポニョしたわき腹、気になりませんか。
30-50歳台の方は、汗をかくような運動が適当です。少しきつめであっても、体に負荷をかけることが大切です。
60歳以上の方は、すでに関節が悪かったり、疾患があったり、個人差がありますので、無理強いはできません。それでも、できる範囲で体操やストレッチを心がけましょう。
「ゴミを捨てる時や買い物の時、犬の散歩の時に、歩いています」という方もいますが、本当に運動としての効果があるのか、振り返ってみましょう。もちろん大病のある方は、このかぎりではありません。
『生活に中に運動を組み入れること』が大切です。運動も仕事のうち、という考えに置き換えても良いでしょう。
日ごろから体を動かしておくと、些細なことが気にならなくなります。
さて皆様、肩こり、首こり、倦怠感、目の疲れ、腰の痛み‥と、いろいろな症状で病院を受診されます。
でも薬を飲みさえすれば治る、というわけではありませんし、漢方薬ならばなんとかなりそう、ということもなさそうです。
3つの「きちんと」を、自身の生活に照らし合わせてみてください。体の悩みであっても、こころの悩みであっても、改善の糸口になるでしょう。
ぜひ1年後、3年後、5年後の自分を見据え、今から投資をしておきましょう。