異常発汗
発汗というと、運動をしたときや高熱を呈したときの汗が浮かびます。
しかし異常な汗というのは、
何もしていないのに、顔や首、額から吹き出るもの
寝ているだけなのに、パジャマが濡れてしまうもの
手のひらがジトッとするようなもの、などをいいます。
西洋医学では一般的に、更年期や甲状腺など、自律神経に関わるホルモンを測定します。
原因がそこに見られる場合はそれで十分なのですが、分からない場合は治療に苦心します。ご本人も、不快な症状は続き困ってしまいます。
では東洋医学では、どう対応するのでしょうか。
...この医学では、体内の「熱」と「寒」の割合を考えます。
熱の考え方は、おおざっぱに二つに分けてとらえられ、まず一般的な「熱」とは、実質的にその度合いが高まった状態のことを指します。これはインフエンザなどにかかったときの発熱が分かりやすい例といえます。
もう一つは、体の熱の量は依然同等なのですが、「寒」の度合いが大きく変化しまう状態があります。この場合は、体の熱の在り方が(相対的ですが)変わってしまいます。
人の体は自律神経がかかわっているだけ変幻自在であり、複雑に変化しています。
では治療はどうなるのでしょう。
もし実熱が増しているようなら、漢方の清熱剤を用いることになります。これは西洋医学でもよく使われる"熱冷まし"、"解熱剤"に相当するものです。ただそれよりも細かく、乾燥させつつ熱を冷ますものと、うるおしつつ冷ますものとがあります。
一方、熱分が相対的に増えているときは、体の芯をうるおすことを主体にするものと、陽気を補うことを主体にするものとがあります。
体に合う薬をえらぶため、状態のわずかな違いを脈で判断しています。また舌も参考にします。
このように東洋医学では、体の「熱」と「寒」を考慮して、治療をすすめているのです。