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2019年8月15日 11:15

50. 検査でみつからない しゃっくり

ヒクッ、ヒクッと突然起こるしゃっくり、

漢字では吃逆(きつぎゃく)、噦(えつ)といいます。

 

しゃっくりは、喉のあたりの刺激をきっかけに、連続的に息を吸いこんでおこる症状です。のどから胃あたりの刺激が脳に伝わった結果、意識に上がらない反射がうまれ、横隔膜をけいれんさせて生じます。(横隔膜とは、胸とお腹の境にあって呼吸運動を行う筋肉のことをいいます)

実は、そのあたりの内臓器はいろいろな刺激を受けやすく、たとえば冷たいかき氷やアイスクリームでも頭に響く反射がおこります。有名なアイスクリーム頭痛もその一つです。

 

ところでしゃっくりは、急に起こっても、びっくりさせただけで治まるものや、水をさっと飲めば済むようなものであれば問題はありません。

ただ1カ月以上も続くようなものもあり、睡眠や健全な精神に影響し、病院を訪れるきっかけになっています。

胃カメラやCT検査などを受けてみても、その原因は、脳の病気や強いお薬の影響以外に明確になりません。

 

漢方治療では、"自律神経と関係が密なのど元から胃のあたり"を調整するお薬を用います。一般の西洋医学でも胃薬はたくさんありますが、そのようなタイプのお薬は見当たりません。

 

代表格は、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)です。これには、呉茱萸・人参という生薬が含まれています。

江戸時代の漢方名医 有持桂里(ありもちけいり)の口述医書「稿本方輿輗(こうほんほうよげい)」では、「吃逆は飲食からくるものが多いようだ。呉茱萸湯は、下利や熱邪や積などによる吃逆に良いが、病気を問わず用いても効果がある」と書かれています。 

また「橘皮竹筎湯(きっぴちくじょとう)というお薬も飲食からくる吃逆に良い」と紹介されています。橘皮竹筎湯には、竹筎(ちくじょ)・陳皮ちんぴ ・人参という生薬が含まれています。

 

他に、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)に自律神経を調整する生薬を追加して用いることもあります。

これらは、本人の様子により使い分けているのです。

 

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